昭和４６年８月　トヨタクラウン　MS６０型

お客様より貴重な部品をお送りいただきました。

早速、止めスクリューを外し開けようとすると、ゴムがくっついてしまっていて開けれません。

お客様の商品だし破るわけにはいかないと恐る恐る・・

でも開きません。

お客様に情報をいただいてたように、液体ガスケットがちゃんと仕事をしていてカッターが入る隙間も

ありませんでした。

これは開けるからには、絶対商品にせねばと、隙間から形状を見、外から外径などを測りと・・

 

「出来ませんでした」　とお客様に回答することより、やはり中の商品が気になる気になる。

暫く、液体につけてはみたものの、取れる気配はなし。

先ずはシャフトが合うのがあるかどうかを確認してそれがあれば後は何とかなるであろう。

シャフトがあったので、何があっても制作しようと決め開けました！

やはりゴムがくっついていて、再生不能となります。

再生できるものは再生し修理品となります。

 

洗浄後・・・

写真左・バルブは新しいものに交換しました。

右写真の上がNAPCO　77-0019A　Valve です。

下の現在のバルブは錆びておりました。

このバルブは真鍮ロールと真鍮リングと板とスプリングから構成されており、

４つの仕入れ先＋内職さんが関わった仕事となります。

金型に３つの孔をあける爪がついているのですがこれが細いので金型がすぐ壊れます。

壊れたら再度金型の作成になります。

１度に18,000個作り主に海外に出ています。

 

他の部分も綺麗になりました。

さて折角なので綺麗になってお客様のところへ届けたいので

急遽、本体木型１ツ・ガスケット木型を2ツ製作することとなりました。

 

同じ時期に昭和45年　トヨタクラウン　MS50型　のお問い合わせが入り

共通部品が少しでもあれば、いい旧車を世に残せます。

 

次回は本体修理・ガスケットが出来上がるので再生編です。

 

 

2023.4.4　打保　江理子